静岡市西部、清水区の「茂畑(もばた)」エリアは、東名高速「清水インター」を降りて車で15分です。15分だからさして山あいでもないだろう、と勝手に高をくくっていると、この急傾斜に人が住むのだろうか?と思うほど、細い山道を登ります。
園主の杉山渡さんと、奥さんの三保さん。しばきりとは、山木を切ってこの地に移り住んだ開拓者という意味。しばきり園のご先祖様は、約1200年前に、山を切り開き、神社を持ってこの地に入植しました。
そして、200年ほど昔から、手揉み茶を作っている歴史のある農家です。
*この地域は室町~足利時代には、「駿河の清見」と呼ばれ、全国の5大産地(奈良県大和の室生寺、伊勢の河居、伊賀の服部、駿河の清見、武蔵の川越)とうたわれたほど、茶栽培に適した産地の一つです。
<しばきり園 お茶の特徴>
しばきり園の作る煎茶の味わいは角がなくて濃く、どこか安定感と重厚感があります。
しばきり園では、上級茶は山の煎茶らしく、しっかりとした甘みと渋みを持った透明感のある浅蒸しタイプ。暮らしのお茶はちょっぴりゆるめて、マイルド感を出すように、軽く蒸しを深めたタイプも柔軟に作り分けています。
意識を集中させる時とゆるめる時と、その時々の暮らしに合うお茶を作るのが、しばきり園のお茶の特徴です。
土地の持つ力を上手に引き出して、さらに園主渡さんの人柄がにじみ出ているように感じます。
家の前にある大きな茶の木は、子供の遊び場の一つ。いつも笑顔が絶えないアットホームなご家族が出迎えてくれます。
4月末の新茶の始まりの頃、しばきり園では恒例の新茶まつりを行います。この日は全国から多くのお客様が集まり、出来たての新茶やおそばなどを楽しみながら、一年の喜びを分かち合います。
~丹精を以て丹誠を成す~ これが、しばきり園の姿勢です。
三保さんと結婚をして、「さあ、これからもっとお茶作りに励もう!」と思った矢先に先代を亡くした渡さんは、「お茶作りの師匠は、今でも親父だよね。」と言います。
「親父の言いたかったことは、こういう事だったのかなぁとか、思いながらね。」
先代は、地域でも有名なお茶作りの名士。全国茶品評会にも何度も入賞するほどの方でした。普段はひょうきんな渡さんですが、本気でお茶の話をし始めると、表情がきりりと締まり力強くなります。
園主のこの瞬間で変わる集中力を見るだけで、しばきり園のお茶から伝わる安心感の意味がなんとなく分かるのです。
右側は、渋みが全くない、しばきり園の特別な品種「やまぶき」。先代が植えて株を増やした畑です。
しばきり園のお茶を試してみたい方は、農園のWEBサイトからどうぞ。
【しばきり園 お問合せ情報】
■お茶のタイプ 香りクリア系
■栽培品種 やぶきた おくみどり 静7132 やまかい やまぶき
■商品価格構成
【自園緑茶】 品評会出品茶 5,250円(80g桐箱入) ~ 2番茶使用 300円(100g)
■農園のサイト しばきり園
■連絡先 〒424-0101静岡県静岡市清水区茂畑294
電話 054-366-6041 FAX 054-367-8611
E-Mail:info@shibakirien.jp
■栽培・製造責任者 杉山渡