新茶が始まった頃に、山水園に伺いました。
手摘みのお茶を丁寧に揉んでいました。この日は茶葉が乾燥機に入るところまで、見学させてもらいました。
そうしたらね・・・。
山水園の茶工場の秘密が、たくさん見えてきました!^^
山水園は、栃沢の山の奥で、生活水は湧き水を利用している昔ながらの暮らしなのですが、茶工場だけはとてもきれいに設備が整っています。
一見すると、「お金かけて近代的にしたんだなぁ。」というイメージです。
もちろん、ここで作られるお茶がお客様のところに届く商品になるため、出来るだけすっきりと清潔にしたいところですが、山水園のきれいな茶工場は・・・。
内野清己の工夫がいっぱいで、楽しい!おもしろい!すごい!笑
やっぱり、段取りと始末の良い、内野さんらしい工場で驚きました。
木質=手作り
機械=業者委託
そんなイメージがあるのですが、内野さんは機械をいじることも大好きで、機械メーカーが作った機械をそのまま使うのではなく、自分の作りたいお茶の動きに合わせて機械を改造し、滞りなくロスなくお茶作りが出来るようになっていました。
新芽は毎年違いがあり、完璧に同じものが出来ることはないのですが、だからこそ出来る限り、イメージしているお茶を作りたいというのが、職人の気持ちです。
それを、数字に置き換えたのがこのパソコン。一冬かけてソフトを作り、データを落としてあるので、過去の製茶設定などが瞬時に出てきます。これを自分で作っちゃうんだからなぁ・・。
昔、ダージリンの有名エステートに見学に行った時に工場長が言われたのが「世界中の人に私どものお茶を安心して選んで頂くために、過去の製造履歴が例えば30年前のモノをと言われても、すぐに取り出せるようになっている。それがうちの信用です。」というようなことでしたが、まさにそれをデータ管理している状態。
しかも、履歴として残しているのではなく、いつでも現場で見て、活用出来るようになっているところが山水園らしいのです。
もう一つ、山水園は茶工場の中に、あまり茶ぼこりが舞っていません。不思議ときれいなのです。
これはてっきり揉み方によるものだと思っていたら、「無駄な掃除をしたくないから。」と、冬の間に換気扇前まで茶ぼこりを吸い上げる煙突を作ったのだとか。それが、上の写真の銀色の筒です。それぞれの機械の横から上に登っています。笑
かといえば、機械操作のスイッチも手作り。子どもたちが使っていたようなお弁当箱があっちにもこっちにも利用されて、切り替えスイッチが設置されていました。
無駄なエネルギーは使わない。始末が良い内野さんだからこそ、茶工場の電気も必要なところだけ使えるようにしていました。
そうそう、実はこの茶工場も、基礎は業者にお願いし、壁等は自分で張っていったのだとか!
「自分が使うものなのだから、自分の使いやすいように工夫をする。」
機械だろうがなんだろうが、『段取りよく自分で工夫する。』これぞ、山水園内野清己という職人の秘密基地なんだと実感しました。とてもおもしろい茶工場見学でした。
さて、出来たお茶は、つやつやしっとり、良い香り。
手がお茶の油で、つるつるになりましたよ。
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