2015年新茶シーズンに、新芽料理開発の依頼をしたことがきっかけで、焼津市 茶懐石 温石様とのご縁が出来ました。まずはお茶を知って頂くために、新茶作りに忙しい農家さんの茶工場へ、ご案内を。
それがきっかけで、『農園茶×懐石』しかも、『ラボ』というスタイルで、今までありそうでなかった企画が生まれました。
企画の前の下準備、いえ、舌準備とでも言った方が良いかもしれませんが。^^
杉山さんからは料理について、私からはお茶についての基本的な知識と味の方向性を確認し合い、現場で実際に食べ・飲み、感じ方を共有し合う。そして、生まれたのが『茶肴.labo』でした。
既成概念にとらわれず、おもしろいと感じたことをやってみよう!そんなわくわくした会でした。
本日の研究議題
茶肴.labo 2015年 夏
~比較~
case 1.本日のお茶 三種 ・・・冷水だし
・農園名:豊好園 地域:静岡市・両河内 製法:蒸
品種:春みどり 製造:2015年産
・農園名:豊好園 地域:静岡市・両河内 製法:蒸
品種:香駿 製造:2015年産
・農園名:山水園 地域:静岡市・栃沢 製法:蒸し
品種:やぶきた 製造:2013年産
~連鎖~
case 2.クリアな一番出汁…蓮根蒸し 茶:香駿 冷水だし
case 3.複合的な味わい…和えもの 茶:香駿 お湯
~選択~
case 4.鯖寿司 茶:セレクトにて「
~融合~
case 5. 脂を愉しむ 茶:釜炒り茶 お湯だし
・農園名:釜炒り茶柴本 地域:牧之原市 製法:
品種:やぶきた 製造2015年産
case 6.鰻茶 茶:和紅茶 熱湯だし
・農園名:益井茶園 地域:川根本町 製法:紅茶
品種:香駿 製造:2015年産
~余韻~
case 7.出来立ての和菓子 茶:お楽しみに
茶懐石温石 杉山乃互
お茶うけ屋 金澤木綿
~杉山さんのコメントより~
「新茶芽料理の提案」の仕事で初めて日本茶インストラクターの金澤木綿(ゆう)さんにお会いして、静岡にはこれだけ素晴らしいものがあるのに、身近過ぎてお茶を見落としている事に気付きました。
個性ある農園茶の加工方法や味わいを知ればしるほど、今ある「お茶」と言うものが恐ろしく長い時間の中で「完成されたもの」だと言う考えに至りました。
それならば、この個性あるお茶の旨味や香りを自分の懐石と合わせる事が出来たら面白い。お茶と料理の可能性に着目しました
◆ウェルカムティー
マスカットのカキ氷の水出し茶スパークリング
新茶の芽を食べた時のぶどうの皮のポリフェノールに似ていると言うインスピレーションから
〜比較〜
◆三種の茶のテイスティング
はるみどり・香駿・やぶきた
〜連鎖〜
◆花鯛の蓮根蒸しの椀盛
純粋な出汁の吸いきりに香駿水出しを合わせると、旨味の余韻が広がる。
出汁がシンプルである事、吸いきりのタイミングで茶葉を開かせるタイミングが日本茶インストラクターの技。
◆梅のジュレ、ゴマクリーム、ホタテなどの複合的な味わいに
椀盛の時に飲んだ茶葉を使い、今度はお湯出汁にして合わせる
〜選択〜
最初の三種の茶から、鯖寿司に合うお茶を頭で考えて選ぶ楽しみ(^^)
〜融合〜
◆水出しした後の茶葉を焼き松茸と会える。
◆緑ナスを太白胡麻油でじっくりと焼いたものに釜炒り茶をあわせて、油感を受け流す。
◆鰻茶漬け
共水鰻の蒲焼ご飯に、国産の和紅茶を合わせる。
紅茶の香りの甘みが鰻と合わさり、前からあったかのように錯覚する
◆薄皮どら焼きを焼き立てで
最後は、客前で茶葉を軽く焙じて、香り清々しい焙じ茶を。
夏の終わりを連想して頂こうかと。
そんな杉山さんを1ヶ月取材し続けた番組が、放送されます。
『静岡発そこ知り 10/26』夜7時から
食の達人と行く 和食の名店 再発見!!
ぜひ、ご覧ください。