日本のお茶は世界で一番繊細な飲み物

「日本茶って、淹れ方が分からないし、何がおいしい味なのかもよく分からない。」と、思ったことありませんか?

なんとなく世間には、『日本茶の淹れ方は難しい』という定説があります。

私たちのお茶なのに、いえ、もしかしたら自国のお茶だからこそ、「もっと美味しく!もっと作法が!」と、自分たちでハードルを高くしているのかもしれません。
実際はお茶の淹れ方に決まりはなく、好みの味を引き出すためのちょっとしたコツがあるだけです。

だから、自信を持って大丈夫。
お茶を淹れて飲むことは、とても簡単なのです。

①急須に茶葉を入れて、お湯を注ぐ。
②それをお茶碗に注ぐ。
これで、『お茶を淹れる』という行為は完璧です。

お茶の淹れ方に決まりはなく、おいしい味もあなたのお好みです。

ただ、ちょっとした淹れ方の違いで、相手に合わせてずいぶんと味に変化が出せるのも、日本のお茶(緑茶)の大きな特徴です。そして、これが精神的にも文化的にも、世界に誇れる日本人の繊細な美的感覚だと思います。

 

「日本のお茶」が世界で一番繊細な飲み物だと思う2つの理由

 

1.「鮮度」を保ち、「半なま」を保ちながら揉むという製造技術の高さ。

 

鮮度のよい食材を好む日本人のために技術を極めたのが、日本の緑茶の大きな特徴です。多くの日本人は、緑茶は茶葉も茶液もグリーンが当たり前だと思っているかもしれませんが、それこそが世界に誇れる、高品質な茶の製造技術です。
例えば茶の原産地中国でもほとんどの人が緑茶を飲んでいますが、その茶液は茶色く、青々としたフレッシュな香りはありません。

少し、想像してください。
ほうれん草を乾燥させたいのに、わざわざ蒸してほうれん草に水分を足してから、4時間もかけてもう一度乾かすような作業が日本の緑茶製造なのです。

摘んだ新芽をただ力まかせに乾燥するのではなく、人肌(34~35℃)を保ちながら時間をかけ、揉み方を調節しながら乾燥させる工程こそ、青い茶の葉っぱを独特の香気を持った日本のお茶にする特殊技術だと言えます。

そして「茶畑の新芽をそのまま届けたい。」という作り手の思いは、生葉管理や製造方法に現れ、問屋の品質管理で引き継がれ、さらに包装素材のクオリティーの高さにも支えられて、生活者のところまで届けられています。

 

2. お湯の温度調節し、引き出したいお茶の味を変えて行く繊細さ。

 

世界中の喫茶文化をみても、お湯の温度でお茶の味に差を出そうする人たちはどこにもいません。今でこそ中国茶や紅茶も温度の微調節をするようになりましたが、それら全ては、日本のお茶の淹れ方から影響を受けたものです。
また、イギリスのアフタヌーンティーは、茶道の影響を受けたと言われています。

さらに、湯温で味を“引き出す”と書いたように、お茶に何かの味をプラスして新しい味を作りだすのではなく、茶葉本来が持っている味の一部分ずつを、淹れ手の技術で引き出し、味わい分けるという高度な感覚を愉しんでいます。

そして茶業界の全ての人が、このお湯の温度による味の違いを把握しながら関わっています。それは、商品構成(茶のグレード)とも関係してくる部分です。

お茶は値段の差が分かりにくいと言われますが、「緑茶は、湯温によってどう味が変化するのか?」を理解し体感できた人が、緑茶の『グレード(品質)』を理解して、自由にお茶を扱えるようになります。

とはいえ、そんなに難しく極めようと思わなくても、大丈夫。

まずは、実際に各地の農家が作ったお茶「単一農園茶」を飲みながら、あなたの『好きなお茶』を見つけてみませんか?
そのプロセスを愉しめるのも、また日本のお茶の魅力です。

急須と、お茶碗の用意はできましたか?

 

「日本のお茶」の魅力

世界でお茶が愛される理由

日本のお茶 昔・今・これから

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